Threads月間5億人突破でXに迫る——DAU逆転・Live Chats・コミュニティ戦略が変えるテキストSNS勢力図【2026】

インターネット・SNS

「Threads(スレッズ)」が2026年6月、月間アクティブユーザー5億人を突破しました。X(旧Twitter)との差は推定で約5,000万人にまで縮まっています。しかも、モバイルアプリのデイリー利用者数に限れば、2026年1月の時点でXを逆転済みです。本記事では、Threadsがここまで伸びた理由と、Xとの「追い越し競争」の現在地を、最新の数字と機能アップデートから解説します。テキストSNSの勢力図が変わろうとしている今、両者の本当の実力を比較したい方に読んでいただきたい内容です。

Threadsが月間5億人を突破——何が起きたのか

Metaが2026年6月16日(米国時間)に発表したところによると、Threadsの月間アクティブユーザー数が5億人に到達しました。Threadsは2023年7月のローンチ以来、わずか約3年でこの規模に成長しています。2025年8月に4億人を達成してから約10か月での1億人増で、スピードは加速し続けています。FacebookやInstagramと同じMetaグループとはいえ、短文SNS単体で5億人という数字は、もはや「追いつき候補」ではなく「本命」の領域です。

この発表と同時に、注目の新機能も明らかになりました。ベータ版だった「コミュニティ」機能の正式ローンチ、フィードを自分好みに調整できる「Your Algo」、そして4月に始まったリアルタイムの公開チャット「Live Chats」の拡張です。単なる短文投稿アプリから、「屋台骨」を備えた総合コミュニティプラットフォームへの転換点が、この6月だったと言えます。

Threads vs X——数字で見る「追い越し競争」の現在地

まずは両者の最新の数字を比較してみましょう。Xの月間ユーザー数は非公開のため第三者機関の推計値ですが、傾向は明確です。

指標ThreadsX(旧Twitter)
月間アクティブユーザー5億人(2026年6月発表)約5億5,700万人(推計)
モバイルDAU1億4,700万人(前年比+21.3%)減少傾向(前年比▲15.2%)
ウェブ訪問数4億7,160万(前年比+112%)横ばい〜微減
主な利用層30歳未満が中心35歳以上が中心

Similarwebのデータでは、Threadsのデイリーアクティブユーザーは2026年7月時点で前年比21.3%増の約1億4,700万人でした。一方のXは前年比15.2%減と、縮小が続いています。しかもThreadsは2026年1月にモバイルアプリのDAUで初めてXを上回り、その後も差を広げています。この数字は、ログインしないと読めないXと違い、誰でも気軽に閲覧できるThreadsの「開かれた設計」も効いていると指摘されています。このまま成長差が続けば、月間ユーザー数でもXを追い抜く日が近いと見るのが妥当です。

なぜ伸びたのか——3つの成長ドライバー

成長の背景には、ただ「Xの代替」というポジションだけではなく、機能面での独自展開があります。特に重要な3つの動きを見ていきましょう。

コミュニティ機能の正式ローンチ

2025年から米国でベータ提供されていた「コミュニティ」が、2026年6月に正式版となりました。特定のトピックについて会話する公開スペースで、スポーツ、テレビ番組、読書、音楽など利用者の多いテーマで構成されます。関連キーワードの検索や、投稿に付いたタグから探せる仕組みで、参加はワンタップです。メインメニューから切り替えられる「コミュニティハブ」や、各コミュニティのアイコン、進捗表示などの機能も追加されました。

注目は米国域外への展開です。日本、韓国、台湾にも正式導入され、日本では「ねこのいる暮らし」「育児」「カフェ」といったコミュニティや、国内アーティスト、野球チームのコミュニティが作られています。私はこの「育児」コミュニティの存在にまず驚きました。Xにはない「肩肘張らない居場所」として機能している印象です。コミュニティの盛り上げ役である「コミュニティチャンピオン」の認定も広がり、運営の中心になるユーザーが増えています。

「Your Algo」——アルゴリズムの透明化

2月に導入された「Dear Algo」を発展させたのが「Your Algo」です。フィードに表示されるトピックを増やしたい・減らしたい、という意思を、自分にしか見えない形でアルゴリズムに伝えられます。設定期間は1日、3日、7日から選択可能です。米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドで提供が始まりました。

アルゴリズムの内部をユーザー自身が直接調整できる仕組みは、他の主要SNSにはありません。おすすめフィードを「不透明なブラックボックス」と感じる人には、大きな安心材料になっています。企業のマーケティング担当者にとっても、投稿が「なぜ伸びないか」の手掛かりをユーザー側から知れる点は、運用の新しい切り口になるでしょう。

Live Chats——リアルタイム会話への参入

2026年4月、NBAプレーオフの期間中に始まったのが「Live Chats」です。試合のライブスコアやアンケート、カウントダウンと連動した公開チャットで、著名人がホストを務めます。そして6月30日には大幅な拡張が発表されました。

拡張の柱は4つです。チャットの翻訳サポート、コホストを最大3人まで招待できる機能、ホストによるメッセージ削除、そして「コミュニティチャンピオン」全員への作成権限の開放です。翻訳対応により、日本語話者と英語話者が同じチャットで盛り上がれるようになったのは大きな変化です。参加者が150人を超えると、それ以降は「観戦モード」として閲覧・リアクション・投票に切り替わります。Metaによれば、開始以来毎日数百のチャットが開催され、数千人が参加しているとのことです。ナイター中継の実況や新曲リリースの同時視聴など、使い道はスポーツにとどまりません。

日本市場の現在地——利用時間130%増の背景

Threadsの成長は日本でも顕著です。Metaの発表では、アジア太平洋地域の利用時間の成長率は、韓国が前年比80%超、日本は130%超に達しました。2026年7月の3周年時点では、日本の利用時間が前年比約2.3倍という調査結果もあります。ポスト投稿自体の数ではなく「滞在時間」が伸びている点が、コミュニティ型SNSとしての定着を示しています。

日本での人気の理由は、Xの「情報収集と実況」という役割とは違う使い方が広がったことです。読書や育児、カフェなど趣味ベースの会話が中心で、炎上リスクが低い居心地の良さが支持されています。企業アカウントの進出も進み、静かな盛り上がりを見せる市場です。ブランドの公式アカウントがコミュニティと連動した企画を打ち出す事例も増えており、2026年後半は日本マーケティングの主戦場になりつつあります。

Xの反撃——アルゴリズム公開と収益化戦略

追い上げられるXも、手をこまねいているわけではありません。2026年8月には推薦アルゴリズムの最新版を公開し、運営方針の透明化を打ち出しました。2026年1月から進めてきたアルゴリズムのオープンソース化の流れを、一段進めた形です。投稿がどう評価され、どう拡散されるのかを開発者や研究者が検証できる環境が整いつつあります。

収益面では「オリジナルコンテンツ報酬」への移行を発表しました。広告収益の分配を、既存コンテンツの拡散やリポストではなく、オリジナル投稿に重点を置く仕組みに変えるものです。クリエイターの囲い込みを狙ったXの回答が、Threadsのコミュニティ戦略と正面から衝突しています。混乱を嫌ってThreadsへ移るユーザーが増えるか、報酬目当てのクリエイターがXに残るか。両者の針路は真逆です。

Threads vs X——機能徹底比較

両者の機能面の違いを表にまとめました。どちらが「上」かではなく、得意分野の違いとして比較してください。

項目ThreadsX(旧Twitter)
投稿文字数500文字25,000文字(Premium)
動画最長5分最長2時間(Premium)
リアルタイム機能Live Chats(150人制)ライブ配信・スペース
アルゴリズム調整Your Algo(ユーザー調整可)アルゴリズム公開済み
収益化未提供広告収益分配・サブスク
アカウント連携Instagramと連携独立アカウント

収益化の差は現時点では大きいです。Xはクリエイターへの報酬プログラムが確立していますが、Threadsにはまだありません。一方で、アルゴリズムの透明性や居心地の良さではThreadsが優位に立っています。細かな使い勝手では、Threadsの500文字制限はXより短いものの、短文での会話が基本のSNSでは不便を感じにくいというのが正直な印象です。

テキストSNS二極化が業界に与えるインパクト

この競争の行方は、SNS業界全体の構造にも影響を与えます。1つ目は「居場所の多様化」です。政治やニュースの実況はX、趣味や日常の雑談はThreadsという棲み分けが進み、投稿者は使い分けを前提とするようになりました。私の周囲でも、Xは仕事用、Threadsは趣味用と使い分ける人が増えています。同じテキストSNSでも「実況の場」と「談話の場」に役割が分かれつつあります。

2つ目は広告市場への波及です。ブランド企業は35歳以上の購買力のある層をXに、若年層リーチをThreadsに振り分ける動きが始まっています。Threadsは2026年時点で広告をまだ本格展開していませんが、5億人のアクティブユーザーを抱えるプラットフォームの広告価値は、Metaにとって大きい潜在収益源です。YouTubeやTikTokのような動画SNSと違い、テキストSNSは「会話の密度」で差がつく市場でもあり、その密度でThreadsが伸びている点は無視できません。

課題と今後の展望

課題も明確です。1つ目は収益化の遅れです。クリエイターが報酬を求めてXに残る構図が続けば、Threadsへの流出は頭打ちになります。2つ目はモデレーションです。150人を超えるチャットや国際的なコミュニティでは、トラブルの芽を早期に摘むコストが膨らみます。翻訳機能が広がれば、言葉の壁を越えた誤解も増えるでしょう。

3つ目は依存関係のリスクです。ThreadsがInstagramと強く結びついている構造は、成長には有利でも、規制強化やアカウント連携の見直しが起きた場合のリスク要因になります。欧州のデジタル市場法(DMA)など、巨大プラットフォーム規制の動きも引き続き注視が必要です。

今後の注目ポイントは3つです。デスクトップ版Live Chatsの正式対応、Threadsの広告開始時期、そしてクリエイター向け収益化の発表です。2026年内にこのうち2つでも実現すれば、テキストSNSの主役交代が一気に現実味を帯びます。

【FAQ】Threadsに関するよくある質問

最後に、Threadsに関するよくある質問と回答をまとめました。

質問回答
Threadsは無料で使えますか?はい、完全無料です。Instagramアカウントがあればすぐに始められます。
Xとどちらを使うべきですか?情報収集や実況はX、趣味の雑談や居心地の良さはThreadsが向いています。
日本語で投稿できますか?はい、日本語UIと日本語投稿に対応しています。
ThreadsはXを追い抜く可能性がありますか?モバイルDAUではすでに逆転済みで、月間ユーザー数でも追いつく勢いです。
企業アカウントで活用できますか?可能です。日本ではコミュニティ展開も進み、ブランド発信に利用されています。
広告はいつ始まりますか?2026年9月時点では未発表ですが、5億人規模のプラットフォームとして注目されています。

まとめ——2026年後半の見どころ

Threadsは月間5億人を突破し、モバイルDAUではXを逆転しました。コミュニティの正式化、Your Algoによるアルゴリズムの透明化、そしてLive Chatsによるリアルタイム領域への参入が、成長の3本柱です。一方のXはアルゴリズム公開と収益化の強化で切り返しています。両者の差が最も縮まったこの瞬間が、テキストSNSの歴史の転換点になるかもしれません。

両者の使い分けを模索している方は、まずは一度Threadsのコミュニティをのぞいてみてください。Xにはない「話しやすさ」を実感できるはずです。テキストSNSの主役が交代する瞬間を、ぜひ2026年後半は注目して見届けましょう。まずは「のぞいてみる」ことから始めましょう。

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